【動画】リラン・バクレー監督トーク『ザ・思いやり』『ザ・思いやりパート2〜希望と行動編〜』『それでも夢はある HOPE』 (2018/6/24神戸)

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非核の政府を求める兵庫の会 市民学習会
 一挙上映&リラン・バクレー監督トーク
『ザ・思いやり』『ザ・思いやりパート2〜希望と行動編〜』
『それでも夢はある HOPE』※

※開催時点では『トランプのアメリカ~希望と勇気を探す旅~』が仮題としてつけられておりましたが、後日『それでも夢はある HOPE』が正式名称となりました。

日程:2018年6月24日(日)  

監督トーク①

皆さん、こんにちは。バクレーです。アメリカ人です。なぜアメリカの人がこういう、思いやり予算についての映画を作ったかというと、私は今、米軍の海軍第7艦隊の航空基地のすぐ近くに、もう23年ぐらい住んでいます。やっぱり飛行機が訓練中にテイクオフして、そしたらものすごくうるさいんですよね、爆音が。皆さんも、もしかしたら経験されてるかと私は思いますけれども、非常に鋭いんですよ。

但し、爆音下で23年住んでも、あまり問題意識はなかったんですね。まぁ確かに、夜、子供2人を寝かせて、そしたら夜間訓練が始まって、子供が起きてしまって、また寝かせるには1時間ぐらいかかったときもあったんですけれども、それ以上に、あまり問題意識はなかったんですね。

で、ある日、この映画の第一弾に出ている、イラク・バグダッドで、アメリカ陸軍が、武器を何一つ持ってない民間人を殺してるあの映像をみたときに、「あぁ私の生まれ育ったアメリカがこういうことをやってるんだ」と、私は初めて分かったんですね。

そしたら、日本にある米軍基地をちょっともっと知りたいと思って、沖縄へ行ったら、そこで米軍への思いやり予算を被災地の支援へ、という立派な署名活動をやってる山口洋子さんという人に、この第一弾にも出てるんですけど、その人に出会って、会った時に「これだ!」と、「いいテーマだ!」と、私は思いました。

で、3年ぐらいかけて、あまりにも時間がかかったら、私もみたくなったぐらいですよね。あまりにも時間がかかったんですけどね、皆さんのご支援をいただきながら、本当に本当に嬉しいんですよ。あの第一弾だけで、もう550箇所、上映箇所、この日本で。3万人ぐらいもみてるという、集計をすれば…(会場拍手)…ありがとうございます。本当に嬉しいですよね。

「最もな狙いはなんですか?」と私はよく聞かれるんですけどね。もちろんこの映画が、笑ってもいいような映画、泣いてもいいような映画、もちろん怒ってもいいような映画。但し、一番の目的は、「あの変なアメリカ人が作った映画、ちょっと面白いから、一緒にみにいきませんか?」と、そういうふうにひろがればと私はずっと祈ってたら、550箇所になりました。

この第二弾も面白いんですが、テーマも少し重いんですけれども、できるだけ面白く伝わりやすく作りたいと思って、皆さん、最後までゆっくりと、みていただければと思います。今日はありがとうございます。

 

監督トーク②

皆さん、ありがとうございます。嬉しいですね。とっても素敵な企画ですよね。朝から第一弾、第二弾、もうお疲れになったんじゃないですか? いやぁ、本当に嬉しいですよ。怖いんですよ。いやぁ、第一弾のほうがよかったとか、何かあまり比較されたら。でも、こないだ、第二弾も第一弾よりよかったとか、いろいろ言ってくださった人も結構いたので、安心しました。ありがとうございます。

私はこの国、日本に初めて来たのが、38年前でした。1980 年の6月20日、私は高校1年生の時に2ヶ月、埼玉で日本人の家庭でホームステイをしまして、ちょうど梅雨の真っ最中だったんですよ。そして、私がまだ覚えてるんですよ。1980 年の6月21日の朝、この新しい国・日本で目が覚めたとき、私は朝早く起きてしまったんですよね。そしてまた寝て、今度きれいな音楽がどこかから聞こえてるんですよ、朝から。それで、私は梅雨が大好きなんですよ。日本人はあまり好きじゃないみたいですよ。手を挙げてください、梅雨が好きな人。いや、私は大好きなんですよ。なぜかって、私はアメリカのテキサスの生まれ育ちなんですよ。あそこは7月8月がもう毎日38度とか41度のときもあったり、非常に暑いですからね。少しでも涼しく夏が過ごせるというのは、私にとっては非常に嬉しいことなので。

ちょうど梅雨の真っ最中の、その朝に起きて、どこかからきれいな音楽が聞こえてね。そしたら、音楽の元がだんだん近づいてきて、私が何だろうと思って、本当に生まれて初めてこんなきれいな魅惑的なメロディーという感じでした。そしたら、窓に行ったら、外をみてれば、霧雨で、緑が多くて、なおかつきれいなメロディーが流れて、いやぁ本当にパラダイスに来たような感じがしたんですよ。

そしたら、メロディーの元がだんだん大きくなって、やっと目の前に現れたんですよ。きれいな緑色のゴミ収集車だったんですよ。いやぁ、いい国だなぁと私は思ったんですよ、日本は。朝からこんなピカピカしたきれいなゴミ収集車で回って、きれいな音楽を流して、いや、いいところに来たなぁと私は思ったんですよね。実は、もう38年も経ってますけれども、本当に日々、日本のこういう感心するところは、たくさんあるんですよ。

(中略)

なぜアメリカの人が、こういう駐留負担経費の映画を作ったかというと、私がさっきちょっとした3分5分の話(※監督トーク①のこと)で、あの映像、この映画の第一弾に入っている映像、何も武器を持たない民間人を殺しているアメリカ陸軍、その映像をみたときに、「あぁ私の生まれ育った国が、こういうことをやってるんだ」というのを初めて知ったんですよね。

いろいろ回って、アメリカまで行ったりして、それで、やっぱりおかしいなと私は思ったんですよ。それで、この映画、もっとアメリカの人たちにみてもらえればと、私は山口洋子さんに言われたんですよ。…(会場拍手)…ありがとうございます。

やっぱり、アメリカの人たちに突然、「どう思いますか、思いやり予算?」と聞いても、ピンとこないじゃないですか。だって自分の国でもない、自分のお金でもないから、第一弾のときにパネルを作って、このきれいなカリフォルニア海岸に外国籍軍のために、こういう基地を作るんだよと。私たちアメリカの納税者が全部お金を出すんだよと。これは米軍のためじゃないんだよとか言って(まぁ嘘なんですよね)。このすぐ近くにV字型の滑走路を作るんですよと。これは米軍のためじゃなくて外国軍のためですよとか言ったら、それはおかしいおかしいとみんな言うんですよ。

但し、そう簡単にうまくいかないと思うんですよね。山口洋子さんに言われたんですよ。「バクレー。この映画をアメリカでやれば、アメリカ人がこの思いやり予算、その矛盾をよく分かってもらって、それで撤退してくれるよ」と言うんですよ。

いやぁ、まぁそうだといいんですけどね、本当は。ただ、そう簡単にはいかないと思うんですよ。実は、第一弾の話ですけど、アメリカからの友だち、中学・高校の友だちに、彼がよく日本に来るんですよ。去年に日本に来たときに、何か私がこういう変な映画を作ってるというのは、彼が噂を聞いて、(映画を)みたいと言われたんですよ。困りました。なぜかというと、彼は飛行機の設計士なんですよ。飛行機の設計士。彼は優秀ですよ。もう一緒に中学校から、彼は全然私と違って優秀で、スタンフォード大学では何とか何とか勉強したんだけど、優秀なんですよ。飛行機のなんとか爆撃機とか、Fなんとか戦闘機とか、彼が設計してるのが、半分以上が軍用機なんですよ。どうやって分かるかというと、彼に聞くと、今なに設計してるの?と聞いたら、今はボーイングとかセスナのなんとかななんとかと言ってくれるんですよ。

で、今度日本に来たときに、今は何を設計してるの?とか…一切言わないんですよ。あぁなるほどというのは、なんかFなんとかとか、こういうすごくお金のかかってるやつだなと私は。でも彼が帰る前の日の晩、ぜひみせてくれよと言うんですよ。しょうがないから、みせたんですよ。ちょっと飛ばしながらね。そしたら、でも彼がそれをみたあとに、困った顔をしてるんですよ。やっぱり、誰が見ても、この思いやり予算って、おかしいんじゃないかと私は思うんですよ。誰がみても、見てもらっても、おかしいと思ってくれるんじゃないかなと。彼は困った顔するんですよ。但し、アメリカに戻ったら、その仕事を辞めないです。軍需産業関係の仕事、そんな簡単に辞めないんですよ。

ちょっと調べたら、カリフォルニア州だけの州のGDPというか生産量というか、総生産量というのは、半分以上が軍需産業から来てるんですよ。

アメリカ連邦政府の予算、各州とか自治体じゃなくて、連邦政府の予算って、だいたい5割から6割ぐらいが軍事費にかかってるんですよ。ものすごく費用がかかってるんですよね。で、もう一つ、もっと大変な問題が、軍需産業とか各州に上手に工場を置いてるんですよ。そうなんですよ。みんな議員さんが「ぜひぜひ、うちの町に、私たちの町に(工場を)作ってください」と言うんですよ。やっぱり雇用が増えるわけですよ。うまい具合に全国的に、田舎でもこういう工場を置いてるんですから。そしたら、いかに、いくらこれはおかしいと思っても、そう簡単に辞められないんですよ、みんな。ですから私が思うには、アメリカにこのザ・思いやりが大ヒットして、まぁ私の夢の印税生活ができるといつも夢見てるんすけどね。

いや、実は私は今のところ飢え死に状態に近いんですよね。ただ、私だけが太ってるんですよ。彼らはまだ何かすごく栄養失調なんですけどね。私ぐらいしか食ってないんですけどね。でもやっぱり、そうだ!とみんな意識を上げてくれればいいんですけどね。ただ、私は思うんだけど、みんな米軍に帰ってもらうまでは、待つよりは一方的に追い出せばいいと私は思うんですよ。

どうぞ皆さん、拍手してくださいよ。…(会場拍手)…ありがとうございます。

でも、こないだ、これをある集会に、「皆さんと20年間かけて力を合わせて、米軍をこの国から追い出しましょう」と私がカッコつけて言ったら、みんなウォー!と拍手があったんですよ。そしたら知り合いの新聞記者がやってきて、「バクレー、お前が米軍100%撤退というんだけど、なぜ? 50%残してもいいじゃないですか?」と。

それで私、困ったんですよ。私はもう100%撤退としか考えてなかった。それが当たり前と思って。今日の映画の中で儀保昇さんたちが交渉してたじゃないですか。10とか彼は0、私は5とか、彼は0と言うんですけど。本当は私は0がいいと思うんですよ。あれは映画のためにちょっと面白く彼とやってるんだけどね。本当に彼は0と言うんですよ。私も0がいいと思うんですよね。

但し、なぜと聞かれたときに、私がすぐ答えられなかったのが非常に悔しかったんですよ。恥ずかしかったんですよ。そしたら3日間ぐらい頭を抱えてたら、湧いてきたんですよ、一つの答え。

私は実は、神奈川県で英会話教室を経営してるんですよ。ちょっと遠いけど、みんなどうぞ来てください。そしたら、こんな小さい3歳児から80歳まで教えてるんですけど、そしたらその関係でよく店舗とか事務所を借りることがあるんですよ。

あるとき、とてもいい物件を見つけたんですよ。角部屋で、2階部屋で。すぐ近くに、お客さんが使えるような駐車場があったり。「これだ!」と思って、借りることにしたんですよ。そしたら契約日に、保証金とハンコを不動産屋に持っていったら、ちょうどハンコを押すときに、不動産屋にこう言われたんですよ。「ちなみに、法律により一つ言わないといけないことがあります」。何だろうと思って。「実は」と不動産屋が言うんですよ。「3階の部屋に指定暴力団が入ってます」と言ったんですよ。「ええっ!もうちょっと早く言ってくれれば」と。ずるくないですか。まぁ結論から言えば、私はハンコを押しました。確かに3階の方がちょっと一風変わった人たちでしたけれども、でも幸いにあまり大きい問題はなかったんですよ。かえって、すごくジェントルマンだったんですよ、みんな。

例えば、階段をすれ違ったときに私が「こんにちは」と挨拶したら、「こんにちは」と挨拶がちゃんと返ってきたりして。一つだけ怖かったんですよ。1階のポストに、たまにこんな大きい封筒が、3階の方宛の郵便箱から、出てるわけですよ。何々宛が『〇〇組』宛なんですよ。大きい字で住所とか書いてあるわけですよね。それはあまりうちのお客さんに見られたら困ると思って、下まで行って、左見て右、もう一回左右、誰もいないか確認して、その封筒をそーっと出して、丁寧に折って、住所とか(宛名)が見られないようにそれを戻してたんですけど。それだけ怖かったんですよ。

で、やっぱり、1年半後に神奈川県警察に追い出されたときにホッとしました。

こう思いました。3日間考えて。米軍があの3階の方と一緒じゃないですか。会ったときにそんなに怖くない。米軍と私は何回か話したことがあるんですよ。こんにちは 。“Hi,How are you? Hi yeah…”と話したことがあるんですよ。こういう映画作りの一環としてもあるんですけどね。そんなに怖い人でも…まぁちょっと怖いんですけどねそんなに変な人じゃないですよ。会ったときに。

但し、朝出て、「行ってきます」と言うんですよ。そして強盗・殺人・脅迫をやって来るじゃん。で、帰ってきて「ただいま」と言うんですよ。いくらいい人に見えても、その仕事内容を分かってれば、許せないじゃないですか。3階にいてほしくない、自分の国にもいてほしくないじゃないですか、その仕事内容が分かってれば。それが分かったら、「もう100%この日本から撤退しかない」と私は思ったんですよね。…(会場拍手)…ありがとうございます。

今日、第一弾をみた人たちも何人かいらっしゃるとのことで、ありがとうございます。

私は海老名中央3丁目の自治会に入ってるんですよ。実はあまり最近何もしてないんですけどね。防犯の帽子をもらったんですよ。今度の第三弾なんですよ。第三弾が、これが「暮らし、環境と安全編」なんですよね。その安全編の一環で、あの帽子、防犯という、海老名駅前の交番に行って、警察に、「この辺に犯罪組織があります」と言って。「え?そうなんですか。どこですか?」「すぐそこ。米軍基地」と言うね。あれもカメラを回しながら撮りたいと思うんですけどね。

ただ、海老名中央3丁目の自治会の人たちと接していれば、私がアメリカ人で、なぜかアメリカ人で、日本人に見えないから。

そしたら、「今日、私たちは基地の祭りに行くんだ」とか、「一緒に行かない?」と。「いやぁ、ちょっと勘弁して。今日は仕事が入ってる」。私があの人たちをみると、楽しく行ってるんですね。祭りとかオープンデーとか。それでだいたい私が知ってる海老名の人たちが、あそこの厚木米軍基地の人たちが、いいことをやってると思ってるんですよ。いいことをやってると。だいたい、米軍が私たちを守ってくれてるとか。だから私がこういう基地問題の映画を作ってると日本人に言ったら、「なんで?なんで?なんで?」とか、分からないんですよ。分かってくれないんですよ、なかなか。

だから、(在日米軍が)やってる仕事の内容をしっかりとみんなに分かってもらわないといけないんですよね。でも、あまり最初から、まぁこれは一つの映画作りの問題ですけど、あまり最初から私がバクレーが拳を出して、「あいつらダメだ」とか言っても、「あ、わかりました。じゃあ映画をみなくてもいいですね」と、あまり入ってこない面もあるから、上手に工夫してやれればと私は思うんですよね。

最後に、海老名中央3丁目の自治会の活動の一環として、私はソフトボールチームに入ってるんですよ。ソフトボールチームで、海老名のリーグは4つあるんですよ。一番強いAリーグから一番弱いDリーグもあるんですよね。私が入ってるのが一番弱いDリーグなんですね。そしたら多分楽チンだと思ったんですよね、試合とか。でも私は分かったんですよ。相手チームは高齢者が多いんですよ。そしたら、これは楽チンだと思ったら違うんですよ。だって高齢者のチームは強いんですよ。毎日平日、練習してるからですよ。私たちが日曜日の朝6時から練習してるんですけど、近くの中学校で。

前の晩に飲んで、かろうじて6時に行って、20分ぐらいしたら「もうこれで終わりにしましょう」と言ってね。強いですよ、高齢者チーム。そしたら私の打席が来たら、私はそこに立ってれば。私はいつも自分の子供に言ってるんですよ。小さいときに野球やってたから。私はコーチもちょっとやりましたけど。勝ち負け関係ないよと私は言うんですよ。勝ち目関係ないよと。なぜかというと、子供は負けちゃって涙が出るとき、私も涙が出ちゃうんですよ。うつるんですよ。いつも自分の子供に「勝ち負けは関係ないよ。楽しくやってればいいよ」と言うんですよ。但し、私はそこに立って、うちのランナーが1塁3塁出てれば、向こうの80歳ぐらいのピッチャーからちょうどいい球が来たら、パーンとホームランを打ちたくなるんですよ。どんどん点を入れたくなっちゃうんですよ。私が変身しちゃうんですよ。怪物、モンスターになるんですよ。もうどんどんホームランを打って点を入れたくなっちゃうんですよ。

これは平和活動も一緒じゃないですか。皆さんだって、長く、皆さん何十年もベトナム戦争のときからも、今日はベトナム戦争の話も入れましたですよね、第二弾に。あれはぜひ分かってほしいんですよ。なぜこの人たちが基地に反対してるのかというのを。その歴史が分からないと、あぁなんとなくいいことをやってると思ってしまうと、皆さんのあたたかいご支援をいただきながら映画を作ってる意味が一切ないですよ。一切ないんですよ。まぁただちょっと高いだけというのになってしまうので、それはよくないからね。ですから、続けて続けて、長く長く、楽しく、より鋭く、より広く、より面白く、一緒に頑張らせていただきたいと思います。今日はありがとうございます。

監督トーク③

皆さん、ありがとうございます。第一弾の『ザ・思いやり』、第一弾・第二弾も、今の『それでも夢はある HOPE』(旧名:トランプのアメリカ~希望と勇気を探す旅~) をみていただいた方が何人かいらっしゃると聞いて、本当に嬉しかったです。さらにお疲れになったんではないかなと心配してますけれども、できるだけこのトランプの映画は、あともうちょっと更にコンパクトにしますけれども。

私は本当、トランプが選ばれたときに困ったんですよ。但しトランプは、最初は言葉も出なかったんですよ。トトトト・トルーマンとかね。本当に私みたいなアメリカの人は、彼が当選して大統領になったなんて、まだ消化してない部分もあるんですよね。いつも皆さんの前で突然吐き出しそうな、まだ消化してない部分はあるんですけどね。いや、まさにトランプになるとは思わなかったんですよね。

彼が大統領になったら、もっと大統領らしくなるんだろうとか、もうちょっと子供から大人に成長してくれるんじゃないかなぁと、私たちは望んでたけれども、本当に逆方向にもうどんどん変なことをやっていって、暴走してしまって、本当に最近、私は危険をちょっと感じてますね、本当に。

彼の周りにいろんな人がいるので、彼がそんな簡単に核ミサイルのボタンを押さないだろうと、みんな祈ってるんですけどね。ちなみに国防総省のトップの人、マティスという人は、私は6年前にマティスのプチビデオを作ったんですよ。彼がいかに人を撃ち殺すのが楽しいというのを発言したり、どんどんそういう変な発言をしたりして、本当に変な人で、一時彼がクビになりそうだったんだけど、今度国防長官になったんですけどね。

但し、トランプの周りにはそういうやつばっかりなんだけど、トランプがあまりにもイカレてるので、その周りの変なやつも、彼らも一番狂ってないように、普通にみえてきてるんですけどね。そういう変な時代に入ってしまったんですね。

私は思うんだけど、変なトランプ現象が、アメリカにも日本にも起こってるかと思うんですね。もう毎朝、私はNHKをみてるんですけど、毎朝テレビをみると、トランプトランプトランプ、そういうニュースばっかりで、私がこの携帯で、新聞は取ってないですから、インターネットでしかみれないんですけど、朝起きたら、すぐにニュースをみるんですよ。1時間に何度もみるんですよ。それで友人に聞いたら、僕もそうだ、もうずっと一日に何度も何度もみてるんですね。トランプのニュースはどうなってるのかね。また、なんか戦争を始めたのかとか、夜寝るときも、トランプのニュースをみる…一日に何十回もみることになってるんですよね、皆さん。

彼が変に朝起きたらすぐ発信するんですよね、ツイッターとかね。トランプ単位というのがあるんですよね。時間が短縮されてきてるんですよね。もう10年ぐらいという感じがしませんか。トランプが選ばれてから、まだ1年半ですよ。もう私たち、10年20年も経ってるぐらいですからね。1週間も本当に長いという感じですよ。彼はコロコロいろいろ政策方針も変わったりして。私がニュースをみると、ニューヨークタイムスとかワシントンポストをみれば、もう全部見出しがトランプトランプトランプトランプ。社説もトランプトランプトランプトランプ。もう全世界がトランプに振り回されてるような感じがして、これは私はまとめて、トランプ現象と言うんですよね。本当に変な時代に入ってしまったので、英語で“Truth is stranger than fiction”という言い方もあるんですけど、「事実は小説より奇なり」というか、本当にそういう時代に入ってしまったんですよね。

私が、トランプが選挙ぐらいまでは、私はあるインターネットの風刺の新聞をみてたんですよ。全部風刺なんですよ。全部嘘。あれが面白くてね、あれをパクったり、これをどこか映画に使ったりしたいなと私は思ったんですけどね。但し、トランプが、いやぁ、この人が本当に大統領になるのかなと、ちょうどなるかもしれないということになってから、みなくなっちゃったんですよ、風刺の新聞。要するに、本人でもう充分に面白いと思って、もう大丈夫なのか、潰れたんじゃないかなと私は思うんですよね。最近そういう風刺の新聞をみるよりは、リアルトランプ、本当のトランプをみるほうが、はるかに面白くなってきたんだね。

今日は4つの、こういう政府の横暴とか、そういう独裁とか暴力を止める4つの方法を提案させていただきたいと思うんですけどね。それが、同じ現象が日本にもアメリカにも、イギリス、イタリア、ロシア、それから中国にも、フィリピンにも、どんどん右寄りの政権があちこちで暴走している時代ですからね。それを抵抗、私たちが抵抗できる4つの手段というか方法を、ちょっと提案したいと思うんですけど。その前に、なぜそれが、私たちが頑張っても、なぜそんなにそれがあまり簡単にスムーズにいかないかというのは、要するにアメリカの問題をちょっと紹介したいと私は思うんですよね。

日本人は、「よくアメリカの人がトランプを選んだね」と私に変な質問をしてくるんですよ。だって、私はトランプに入れたわけでもないですよね。でもヒラリー(クリントン)も確かに私は好きでもなかったんですけど、私は共和党ではなく、民主党でもなく、もう一つのアメリカのなんとか党が好きなんですよ。私とあと9名ぐらいかな。少ないですよ。まぁ頑張りましょう。

それで、やっぱりいろんな説が出てくるんですよ。トランプが当選した次の日ぐらい、いろいろ日本でもマスコミがそれを取り上げて。アメリカ人のデーブ・スペクター、なぜアメリカの人たちが彼に入れたかと。無知のアメリカの人が入れたんじゃないかとね。それから、確かに不満があったかと思うんですよね、不満。20年ぐらい、まぁ25年ぐらいでしょうかね、中流階級の人たちがどんどん振り回されて、どんどんリストラされて、クビになって、それで私の親戚、私の兄貴とか義理の弟とか、あとは知り合い、友人、アメリカの人みんなトランプに入れてるんですよ。みんなトランプに入れてるんですよね。なぜ彼らがトランプに入れたのかなと思って、彼らのこの10年15年をみてれば、家が差し押さえになったり、車が差し押さえになったり、仕事がなくなって健康保険は入らない、いろいろな大変な問題を抱えてるんですよね。ちょうどそれがクリントン政権8年間、オバマ政権の8年間、その間にブッシュ政権の8年間もあったんですけどね。その中に、16年間民主党政権もあったんですよね。やっぱり不満が多かったと思うんですよね。

もう一つは、単に女性に対する差別、性差別だと私は思うんですよ。ヒラリーは女性で、まだまだ女性が大統領になるのが、一応アメリカは平等というか、今日の映画は「自由」というんだけど、まだまだ壁が高いと私は思います。一つが性差別だったと思うんですよね。

で、もう一つが、これはよく言われるんですけど、反インテリなんです。反インテリ。インテリというか、そういう評論家とかテレビに出てる人とか、どこどこ大学の教授たちとか、その反発が強かったんですよね。まぁヒラリーはトランプよりも全然頭いいんですよ。トランプが、いやぁ彼に本当に今回インタビューしたかったんですけどね、応じなかったんだよね。

それで、例えば、皆さんご存知ですよね、彼が日本から基地を撤退しますというかね、米軍を撤退しますと言ったら、まずは地図を持ち出して、みせて、じゃあ日本はどこですかと指さしてもらうと、いや違います、それはオーストラリアですとか、そのぐらいの知識のない人なんですよね。

彼が、本人が、私が歴代大統領の中で一番頭がいいですと本人も言ってるんですけどね。いや違うと私は思います。誰か、彼の使ってる言葉を分析して、小学校4年生か5年生ぐらいのレベルでしゃべってるというんですね。彼に入れた人たちは、同じくそういう反インテリとか反文化人とか、何々大学の大学の先生とか、そいう反発が多かったと思うんですよね。統計を取れば、統計によると、彼に入れた白人が、どこが一番ポイントだったかというと、分岐点というか、4年大学出たか出てないか。私の親戚は、出た人が1人もいないんですよ、大学出てるのが。まぁみんなトランプに入れているんですね。まずは彼らが、仕事がなくなったからと思うんですよね。いろいろ不満があったかと思うんですよね。

まぁこれから100年も200年も、なぜあのトランプが選ばれたかというのは、ずっとみんな分析して、やってるかと思いますから。200年後にもね、あのときなぜあの人が選ばれたというのは、それがいろいろ話のネタになるかと思うんだけど。ただ、彼がなぜ選ばれたというよりは、なぜやり続けているのか、みんなに許されてるのか、なぜクビにならないのかというか、それが私の妻に毎朝聞かれてるんですよ。なぜアメリカの人たちは彼をクビにしないのと、うるさいぐらい言って、そっちのほうがかえって大きい問題と私は思うんですよね。確かに、アメリカ大統領が選ばれたら、4年間まず、暗殺されたりとか、それからニクソン大統領みたいに辞めなければ、まず4 年間続けられるんですけどね。また選ばれたら、さらに4年間。だから、トランプが絶対また選ばれると私は思ってるんですよ。私だけじゃなくて、例えばアメリカのドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーアも、彼もそう言ってるんですよ。

それが一つの大きい理由があるんですよね。それは、なぜそういう今頃も、ちょうど最近、移民問題、難民問題があるんですが、子供と親が離させられて、子供が孤児院みたいに、3歳児とか何ヶ月の子供。親がメキシコとがグアテマラに送還されても、親も子供が行方不明になってる状態で。それをみんなアメリカの人が知ってるわけですよ。だいたい5割ぐらいの共和党の人たちが、それを知ってるんですよね。

トランプがいろいろ疑惑がどんどん、森友みたいな疑惑がどんどん出てきてるのに、但し共和党の中で、9割の共和党の人たちが、彼を支持してるんですよ。要するに、一つの大きい部族主義と私は思うんですよ。部族主義。普通、部族って、アフリカとかあの辺で使う言葉なんだけど、最近“tribalism”(部族中心主義)という言葉が出てきてるんですよ、アメリカで。あの人が悪いことをしても、自分と同じ政党・党派であれば、じゃあ一応(票を)入れましょうということなんですよ。その人のやってることとかあまり関係なく、要するに相手の民主党に負けたくないからです。

あの人がクリスチャンと自分は言ってるんですよね、トランプ。自分はクリスチャンと言ってるんですけどね。でも、どう見ても彼が本当のキリスト教の聖書の教えと、彼の行動が反してる。まるで反してるんですよ。でも、福音派のクリスチャンの中では、ものすごく支持率が高いんですよ。矛盾してるじゃないですか。但し、矛盾であっても、やっぱり入れちゃうんですよ。自分のチームですからね。反対のチームには負けたくないから、一応この人に。特に、連邦議会の共和党の人たちも、多分誰も彼が好きじゃない。好きな人がいないんですよ。みんなに嫌われてる。じゃあなぜ辞めさせられないかというと、彼らが今度、中間選挙を心配してるんです。あまりランプが嫌いなんだけど、批判すれば私たちがが今度負けちゃうんですよね。今度は連邦議会の過半数が民主党になっちゃう。それが一番みんな避けたいから、だからいくら悪魔でも入れちゃうんですよ、みんな。部族主義というのがどんどん出てきてるので。

なかなか難しいかと思うんですが、4つの方法があるんじゃないかと私は思うんですよ。一つがアメリカの連邦裁判。これが素晴らしいですよ。私は、これにアメリカが救われていると思うんですよ、連邦裁判。なぜかというと、例えばさっきの第二弾の上映会のあとに少し話をさせてもらったんですが、連邦議会が上手に軍需産業の工場を各地区に置いてあるわけですよね。だから右よりが多いし、大統領と協力してこうしましょうと、いろいろ妥協しないといけないところがあるし。但し、連邦裁判が素晴らしい、あれがアメリカ国憲法ができたときに、今日の映画をみていただいたら分かったかと思うんですが、ずっとイギリスに支配されてたんですよ。で、イギリスの裁判制度って、全部王室が裁判官を置いてたんですよ。そしたら、もちろん全部判決とかが王室有利なんですよ。勝っちゃうんですよ。

これ言ってもいいのかな。私は日本国籍でもないし、変なアメリカ人だけなんですけど、日本の最高裁にちょっと似てるところもあるんじゃないですか。与党の言いなりばかりみたいな。対して、アメリカの唯一の希望、私たちが希望を持てるのが、連邦裁判。なぜかというと、イギリスに支配されたそういう経験があったから、連邦裁判、一度そういう仕事に就いたらクビにならない。大統領はその人をクビにできないんです。できないんですね。そしたら、左右されずにいい判決がやっぱり出せるんですよ。これはいけないと思ったら、出せるんですよ。要するに仕事とか、別に明日クビにならないから、本当に考えて、いい判決。公民権運動のときもいい判決が出たり、もう結構次々に連邦裁判からいい判決が出てるんですよ。連邦裁判にどんどん訴訟を起こしたりすれば、少しいいほうに動いていくと私は思うんですよ。

もう一つ、連邦議会。民主党が過半数。私は民主党も嫌いなんですけどね。でも民主党が過半数をとってもらえれば、もしかしたらいろいろ、彼の暴走を止めることができるかと思うんですよね。但し、アメリカの独特の問題って、日本と違って、連邦議会と大統領は違うんですよね。だから、連邦議会が「違う」「ダメ」と言っても、結構かなり大統領が勝手に暴走したりできるんですよ。自由なんですよね。

もう一つが、トランプがいかにフェイクだとみんなに分かってもらえれば。あの人が優れたビジネスマンというふうに見せかけていますよね。違いますよ。彼がやっている事業が、もう全部失敗してるんですよ。全部失敗してる。そうですよね。但し、彼はお金持ちじゃないですか、あのホテル、あのカジノとか、全部彼のものじゃないかって。違います。彼が金メッキの看板だけを貼ってるんです。ロイヤリティをもらってるだけなんですよ。ブランドなんですよ、彼が。投資する人が違うんですよ。彼が投資してないんですよ。やっぱり計画不足でレースが失敗したら、彼が損しないんですよ。お金を入れた人たちばかりが損するんですよ。これは話がもう30年40年前ぐらいから全部彼がやってるのが潰れてるんですよ。

彼がもう天才的な交渉人になってるんですよね。違いますよ。こないだ金正恩と、あまり好評じゃなかったみたいですね。でも、彼が自慢するんだけど、違いますよと。それをポツンポツンポツンと続けて言えば、(まわりはトランプの政策が)いいと思う(勘違いする)んですよ。

もう一つ最後に、アメリカの倫理、モラル、価値観を上げないといけないんですよね。この20~30年ぐらいどんどん低下してきてるんじゃないかというんですよ。ですからトランプがあんなに普通の道徳倫理に反してることばかりやっても、許されるんですよ。あまり大きい問題になってこないですよ。もしかしたら森友もそうかもしれない。それが怖いんですよ。結局、何も大統領がクビにならなかった、総理が首にならなかったというのは、それが非常によくないと私は思うんですよね。

この映画、なぜ黒人と平和活動のサンフォード・ケルソンさんを入れたかというと、私たちの今の一番の課題は、アメリカ、世界、もしかしたら日本は特に、トランプを超えたビジョン、行動しないとだめなんですよ。トランプを超えた。もう毎日のように私たちはニュースを10秒ごとにみたりしてるんですよ。トランプが何の発言をしたとか、私たちが振り回されてる状態なんですよね。そしたら、視野がだんだん狭くなってくるんですよ。それはいけないと私は思うんですよね。それを見抜いて、本当の問題を直観的に見抜いて、やっていかないと、危ないと私は思うんですよね。

トランプが今日なんと言ったの、奥さんがどういうジャケットを着たかとか、そればかりニュースで流されてるんだけど、どこか静かに、目立たないように、軍需産業がちゃんと動いてるんですよ。今なんと、F-35戦闘機もあったんですよね。人類で一番高い買い物というのは、それを10倍ぐらい超えるような爆撃機の計画が今進んでるんですよ。トランプがジョンソン大統領の、核兵器の、大統領のときの核兵器の数が多かった。トランプはなんでも一番になりたいから、今アメリカの核兵器を4倍ぐらいにまた増やしたいわけですよね。そういう変な発言もするんだけど、但し、その彼が多分降りると思うんですよ。静かに上手に、私たちはちょっと見えないところに軍需産業がちゃんと動いているんですよ。

私たちが、トランプが今日なんと言ったのとか、そればっかり振り回されてるところで、辺野古。私が、多分皆さんもみたことあるかと思うんですけど、1968年の辺野古の図面、米軍が作った図面。沖縄の辺野古じゃなくて琉球アイランドの辺野古。要するに復帰前のときの前面をみたら、V字型の滑走路がちゃんとあったんです。アメリカは交渉バカじゃないんですよ。国防総省、バカじゃないんですよ。上手に時間をかけて、それを実現していくんですよ。実際にみてれば。悔しいですけどね。だから私はあまりトランプが今日さっき何と言ったよりは、本当にその裏で動いている、ずっと動いている問題をみないといけない。ですから、それがアメリカ社会で一番分かってる人は誰ですか? 黒人です。黒人です。奴隷主を一番分かってるのは奴隷です。一番いつも、毎日、奴隷主の顔色をみてるのが奴隷なんです。ですから、私、普通の人たちが、今日はトランプがどうなってるのとか、同じなんですよね。

但し、彼らの問題がトランプ政権が生まれる何百年間も前から始まってるわけですよ。まだ解決されない。これからまだまだ続く。サンフォード・ケルソンさんが、彼が映画で入れたかったのは、このトランプの政権の時代より前から、確かにアメリカ独立戦争のとき、建国の時代から、ずーっと暴力を繰り返してるわけです。ですから長年こういう平和活動をやってる人と、黒人の解放運動をやってる人たちを入れたかったんですよ。そうしないと、トランプトランプトランプばかりだと、私たちは騙されるからですよね。彼らが一番分かってるんですよね。その問題が今だけじゃなくて、本当の問題を一番分かってるのが、黒人なんですよね。ネファさんも言ってましたよね。髪の毛のカッコいい彼、ネファ・フリーマンが言ってましたね。「トランプはネタにしやすいんですよ。だってバカだもん」。ただ彼は今、議論にならない「医療問題とか軍事費問題とか、あまり議論されないのはおかしい」と言うんですよね。

この映画、トランプの映画が、本当はアメリカについての映画よりは、日本の問題、今の日本の問題についての映画を作りたかったんですよ。ですから、ヒロさんと一緒にアメリカに行きましょうよと。彼が日本でファンが多いじゃないですか。彼は紀伊国屋ホールライブで半分以上はアメリカのことを言ってくださったし、これからの日本の戦いも、長いです。長い。私が黒人、ビバリー・スミス、自分の子供も殺されて、沖縄にも交通事故で自分の息子とかも亡くなった人も多いわけです。アメリカが日本を基地にして、遠い国まで行って、ずーっと戦争を繰り返してるじゃないですか。

黒人も一緒。アメリカの平和活動家も一緒なんですよ。長く戦いが続いてるので。なかなか勝利が見えてこないけど、それでも夢がある。それは、非常に素晴らしいと私は思いますから。だから、彼ら、トランプ支持者だったら、私たちは毎日テレビをみるじゃないですか。それよりは、本当のアメリカの問題はそこだと思うんですよね。建国の時代から戦争を起こして自由を得た、その神話が今日まで動いてるから。だから、もう戦争が当たり前ということで、なかなかそれが変わりそうもないからね。

話がちょっと違うけどね、私が最後に、この第7艦隊の今日のザ・思いやりパート2にも入ってましたね。ゲート前で英語でしゃべってるところがありまして、それは私が毎月の最後の日曜日、神奈川県の横須賀市にある米軍、アメリカ海軍第7艦隊さんのメインゲート前で、デモ行進に参加してるんですね。3か月ごとに私が英語でスピーチすることになってるんですよ、ゲート前でね。それで、だいたいこういう話をするんですよね。ゲートに向かって、憲兵隊が出てくるんですよ。大きいんですよ、あの人たちは。銃も持ってるし、怖いんですよ。そしたら、30~40人ぐらいのデモ行進で、スピーカーがあるんですよ、リアカーで押して。バッテリーでつないで。それで、彼らがボリュームを大きくして、私はだいたい、こういう話をするんですよ。米軍に向かって、「日本を基地にしながら、遠い貧しい国、ベトナム、アフガニスタン、イラクまで飛んで、爆弾を落として、人の子供を殺すよりは、アメリカにお戻りになって、よりよい医療制度、教育、雇用のために頑張ってもらえないでしょうか」と、ちょっと優しく言うんですよ。…(会場拍手)…ありがとうございます。嬉しいです。なぜ嬉しいかというと、米軍に完全無視されるんですよ。ううん、寂しいですよ、いつも。

但し、去年の暮れ、12月に、私のトークが回ってきて、基地前でトークをしたら、1人だけ20代前半の黒人の米軍の海軍の人がそこに立って、ずーっと最後まで聞いてたんですよ。そしたら、その夜の交流会、飲み会、非常に楽しかったんですよ。もうみんなアルコール入ったらね、「あの子が最後まで聞いてたね。バクレーの話のせいか分からないんだけど、その話を聞いて、彼がいずれ米軍を辞めて、アメリカに帰ったら立派な平和活動家になるんだよね!」と言って、みんなお酒が入ったら、そしたら、そうそうそうって、久しぶりに元気が出たんですよ。久しぶりに。あの人達が、もう38年、毎月最後の日曜日、雨の日、台風の日、暑い日、雪の日、必ず行進してるんですよ。もちろん、あまり成果がみえてこないんですよ。勝利がみえてこないけど、夢を持ち続けて頑張ってるんです。彼らが少しでも楽しくなって、元気が入って、私は非常に嬉しかったんですよ。本当にもう嬉しくて嬉しくて。

そして、あるとき、また基地に行ったら、私はあまりにもその軍艦とか迷彩服や有刺鉄線をみると、私は疲れるんですよ、なぜか。そして、あるとき私たちがデモ行進をやったりして、私は家に帰ったら、あまり米軍の巨大な存在、巨大さに疲れて家に帰ったら、あの基地が、米軍基地、第七艦隊の基地丸ごと、夢に出たんですよ。あそこに半島があって、全部アメリカが支配して居座ってるんですよ、何十年も。私たちがゲート前に行ったら、拳を出して、これ夢ですけどね、お前たち出ていけ!と言ったら、何も起こらなかったんだよ。そしたら、小さい声で私たちは一斉に、“We love you! We love you! Go back! Go back! In peace to the mother love’s you”(私たちは、あなたたちを愛してます。どうぞどうぞ、平安のうちに、あなたを愛して待ち望んでいるお母さんのところに帰ってください)と言ったら、突然ガチャーン!と大きい音がして、そこに突き出ている第7艦隊が居座っているあの半島が丸ごと外れたんですよ。外れた。そしたら、オススプレイも一緒に、原子力空母、4万7000の米兵とオスプレイも一緒に、もう全部、海に浮かびながらアメリカ本土まで流れ着いたんですよ。…(会場拍手)…ありがとうございます。嬉しい嬉しい。この話を横須賀の人間にすると、バクレー、今の話いいんだけど、できれば半島を返してほしいねと。いやぁもちろん返しますよと言うんですね。

これからトランプと日本の何々政権の時代、いろいろつらい面があるかと思いますけど、今日の映画は少しでも、私が狙ってたのが、アメリカよりは日本のことを考えていただければと。どうやって皆さんと一緒に頑張っていけるかと。一緒に考えさせていただきたいと思って作りましたので、その夢を実現したいと思います、皆さんと一緒に。今日はありがとうございます。

開催スケジュール
上映①『思いやり』(90分) 10:00~11:30 
    監督トーク(①飛び入り)
上映②『ザ・思いやりパート2』(90分) 11:50~13:10
    監督トーク② 13:20 ~13:50
上映③ 『トランプのアメリカ~希望と勇気を探す旅~(仮題)』(100分) 14:00~15:40
    監督トーク③ 15:50~16:20
 
会場:こうべまちづくり会館2階ホール                
主催:非核の政府を求める兵庫の会 問合先・事務局 電話078-393-1833 shin-ok@doc-net.or.jp    
協賛:市民社会フォーラム      
 
◆リラン・バクレーさん プロフィール
Leland Buckley(1964年生まれアメリカ・テキサス州出身)。1980年、高校1年で初めて来日し埼玉でホームステイ。歴史を専攻し高校社会科の教員資格を取得。アメリカで大学院終了後、日本の大学院で文部省の大学院研究員として日本文学を専攻。’95年に天野文子氏の広島原爆日記を英訳し、原爆投下50年に、天野氏と数人でアメリカ各地を訪問し、テレビ、ラジオ番組等で原爆禁止をアピール。他にも、地産地消、食糧やエネルギー自足に興味を持って活動。英会話スクール経営。青山学院大学で英語講師。神奈川県在住20年以上。日本語ペラペラ英語もぺらぺら。
 
■『ザ・思いやり』   公式サイト 
在日米軍駐留経費の負担金の一部として知られる日本の「思いやり予算」に疑問を感じた1人のアメリカ人が、思いやり予算について切り込んだドキュメンタリー。監督のリラン・バクレーは1964年、アメリカ・テキサス州出身。20年以上にわたって日本で暮らし、大学の英語教師や英会話スクールの経営などをしながら、広島原爆の被爆者・天野文子氏の著作の英訳なども手がける。そんなバクレーが、78年から現在に至るまで、莫大な税金が投入され続けている思いやり予算の矛盾点や不条理を様々な視点から、時に笑いや涙を交えて、コミカルに問いかけていく。
 
■『ザ・思いやりパート2〜希望と行動編〜』 公式サイト 
在日米軍駐留経費の一部を日本側が負担するという「思いやり予算」について、在日アメリカ人のリラン・バクレーが問題提起するドキュメンタリー「ザ・思いやり」の第2弾。20年以上日本で暮らしているバクレーが、アメリカ人としての視点から、世界の戦場へ繰り出している在日米軍がそこで何をしているのか、また不条理なことの多い沖縄に希望はあるのかなど、在日米軍関連のさまざまなシリアスな問題について、「思いやり」をもって生きる人々の声を聞きながら、時にコミカルに切り込んでいく。
 
■『トランプのアメリカ~希望と勇気を探す旅~(仮題)』 公式サイト 
リラン・バクレー監督がお笑い芸人の松元ヒロを道連れに、「トランプランド」を旅するドキュメンタリー。共和党や民主党支持者、退役軍人、黒人活動家との交流や、全米ライフル協会訪問など内容盛り沢山!