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上映とトーク
「最後の一滴まで―ヨーロッパの隠された水戦争」
日 時 6月2日(日)
1回目上映11:00~ トーク12:10 2回目上映13:20~
会 場 元町映画館2階イベントスペース
トーク 内田聖子さん(アジア太平洋資料センター共同代表)
ゲスト 大石あきこ さん(音くらしデザイン研究所)
参加費 1000円
主催・申し込み先
神戸映画サークル協議会(電話078-371-8550 FAX078-371-8551 )
市民社会フォーラム civilesocietyforum@gmai.com
協 賛 薔薇マークキャンペーン
ヨーロッパでの水道民営化の問題と再公営化の動きを描いたドキュメンタリー「最後の一滴まで―ヨーロッパの隠された水戦争」を上映し、アジア太平洋資料センターの内田聖子さんに、映画の解説と水道民営化の問題についてお話しいただき、ゲストに「薔薇マークキャンペーン」認定候補として大阪府議会選挙に無所属で出られた大石あきこさんをゲストに、大阪の水道民営化の動向とともに、新自由主義に対抗する“反緊縮”の意義について対談します。
【「最後の一滴まで―ヨーロッパの隠された水戦争」】
http://www.parc-jp.org/video/sakuhin/uptothelastdrop.html
原題:UP TO THE LAST DROP―THE SECRET WATER WAR IN EUROPE/2018年/ギリシャ/59分
監督:Yorgos Avgeropoulos/配給:Small Planet Productions
私たちが生きていく上で必須である「水」。2010年、国連総会は安全な飲料水へのアクセスを人権の一つとする(The Human Right to Water)原則を承認しました。しかし1990年以降、世界の多くの国・自治体において水道サービスの民営化が進み、途上国での水へのアクセスもまだ多くの課題が残っています。
日本でも2000年以降、水道事業への民間参入の道が開かれてきました。2018年6月、国会で水道法の改正案が審議され、今まで以上に民間企業が水道事業に参入しやすくなる「コンセッション契約」の推進を含む改正が検討されています。水道事業は民間企業が担えばうまくいくか? 公共サービスとは何か――? 日本の私たちに突き付けられている喫緊の課題です。
こうした中、ヨーロッパをはじめ多くの国・地域における注目すべきトレンドがあります。それは、民間企業が担ってきた水道サービスを公営に戻す動き、すなわち「水道の再公営化」です。2000年以降、世界では835件以上の水道再公営化が行われてきました。それを牽引するのがヨーロッパの大都市の事例です。住民の運動や地方議員からの提起によって水道事業が公共の手に取り戻されているのです。再公営化を果たしたパリ市やベルリン市などの行政当局の担当者や議員は、「民営化という幻想」を強く批判しています。
一方、2008年の欧州債務危機によって深刻な打撃を受けたギリシャやポルトガル、アイルランドなどの国々には、欧州連合による財政再建計画の一環として水道事業の民営化が押し付けられています。背後には、これらの国々を新たな投資先として狙う水道企業と、その企業と密接につながるフランス政府などの存在があるのです。再公営化によって水道サービスを公共に取り戻した自治体と、いままさに民営化を強いられている自治体――。同じヨーロッパにおいても、両者の姿は明確に異なります。
「水道サービスは誰が担うべきなのか?」 「水は商品か、人権か?」 「民主主義・自治は機能しているのか?」
ヨーロッパの人々の問いは、日本の私たちにも大きな示唆を与えてくれます。
【内田聖子(うちだ しょうこ)さん】
NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表。
慶応義塾大学文学部卒業。出版社勤務などを経て2001年より同センター事務局スタッフとなる。自由貿易・投資協定のウォッチと調査、政府や国際機関への提言活動、市民キャンペーンなどを行う。TPPウォッチの国際NGOネットワークにも所属し、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、マレーシアなどの市民社会とともに活動。共著に、『徹底解剖国家戦略特区―私たちの暮らしはどうなる?』(2014年、コモンズ)など。