【レポート】 「みんなのための資本論」上映&松尾匡さんトーク(2016/5/14@元町映画館)

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2016.5.17
『みんなのための資本論』トークイベント開催!

アメリカの格差社会についての映画『みんなのための資本論』公開初日5/14(土)に松尾匡さん(立命館大学経済学部教授)をお迎えしてトークイベントを開催しました。
ここの”資本論”は有名なマルクスのそれよりピケティの最近話題になった著作「21世紀の資本論」からとられていて、その著作の翻訳者、山形浩生さんはこの映画の字幕監修です。
クリントン政権時代の労働長官ロバート・ライシュが映画の主要人物でありピケティに近い立場の人だと思われます。
ライシュは格差社会の分析を雄弁にユーモアを交えて分析し映画の見所になっています。
一方、トークゲストの松尾匡さんはマルクス経済学がご専門です。
マルクス「資本論」から派生したソ連型社会主義(マルクス=レーニン主義)、その今と昔の対比がトークの底流となっていました。
マルクスの思想は客観的科学に基づく必然的法則であり資本主義の矛盾を乗り越えようとする社会主義、共産主義の根拠となるものです。
しかしこの思想の位置づけが長い歴史(ロシア革命、冷戦、ソ連崩壊)を経た今では随分と変わってきている。
例えば、ある時期まで労働者は社会主義的な大きな組織に守られてきたが、これからは一人一人がそのあり方、所得格差ではなくそのアイデンティティーをしっかり捉えることが重要である。
また次の選挙において景気対策という手段を与党が選挙大勝、憲法改正という目的のために行使する時、長期間の不況で苦しんできた労働者は我々のあり方、生活の実感(貧困は真)を手放してはならない。
実際のトークはもちろんこんなに散文的ではなく身近な話題に溢れていました。
映画はライシュが聴衆を鼓舞する形で終わります。
松尾先生のトークは私たちに沢山のヒントを与えていただきました。
ライシュ、松尾先生の”みんなのための資本論”は今なお困難な時代に生きる我々への切実なメッセージです。
(高橋)

■□■市民社会フォーラム第65回映画鑑賞会■□■
「みんなのための資本論」

トーク「不況は人災です!貧困をなくすための経済学」
日 時 5/14(土) 14:40~16:15の回上映終了後
会 場 元町映画館2F
講 師 松尾 匡さん(立命館大学経済学部教授)

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※トークは、当日映画(要鑑賞料)を見られた方を対象としており、参加費無料です。

「みんなのための資本論」公式サイト http://www.u-picc.com/shihonron/
元町映画館公式サイト http://www.motoei.com/

  市民社会フォーラム恒例、一般公開の映画の鑑賞会。
今回は元町映画館で公開の「みんなのための資本論」とアフタートークです。

『みんなのための資本論』スペシャルトーク開催決定!
クリントン大統領の政権下で労働長官を務め、アメリカをはじめとする先進国の格差社会到来に早くから警鐘を鳴らしてきた経済学者ロバート・ライシュが、資本主義の大転換のために何をするべきかを説いたドキュメンタリー作品『みんなのための資本論』。本作の公開を記念して、経済について学ぶスペシャルトークを開催します。

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