元町映画館のイベントレポートから転載します。
2019.1.27
『岡本太郎の沖縄』葛山喜久監督×坪谷令子さんトーク開催しました!
芸術家・岡本太郎が生涯追い求め続けた「日本人とは」「自分自身とは」という問い、その旅の最後に出会った沖縄。太郎は沖縄で何を見つけたのか、そして〈岡本太郎の沖縄〉が今の私たちに語りかけてくるものとは何なのかを求め、太郎の足跡をたどったドキュメンタリー『岡本太郎の沖縄』。1/27(日)の上映後、葛山喜久監督と画家の坪谷令子さんのトークイベントを開催しました。
坪谷令子さんは、「天の瞳」「せんせいけらいになれ」など灰谷健次郎さんの著作の挿画で知られています。最初に沖縄を訪れたのは1974年で、約30年前に灰谷さんが沖縄に移住されてからは頻繁に訪れるようになったそうです。『久高オデッセイ』の大重潤一郎監督や沖縄の写真家・比嘉康雄さんらとも交流があり、映画でも中心に描かれる久高島には何度も足を運ばれています。
図書館で、表紙のおばあさんの写真にどうしようもなく惹かれて写真集「岡本太郎の沖縄」を手にしたことが始まりだったと葛山監督。写真集に感銘を受け太郎の著作を片っ端から読み漁り、中でも「沖縄文化論」に強く感動してその足跡をたどる沖縄の旅に出たそうです。そこで平良敏子さん(「喜如嘉の芭蕉布」重要無形文化財)と出会い、〈沖縄は女性の島〉だと感じたことから映画が構想されていきました。
故人の足跡をたどることがテーマでありながら、「“今”から過去を振り返る形ではなく、太郎から“今”を照射する作りになっている」との坪谷さんの投げかけに、「太郎は沖縄について〈自分を再発見した〉とまで言った。過去を紹介するのでなく、太郎同様に内観する視点にならないと意味がない。それは“映画”にしかできないと思った」と葛山監督。
撮った写真から見えてくる太郎の姿、太郎を“岡本太郎”たらしめたパートナーの敏子さん、そして太郎が夢中になった久高島の神事イザイホーなど、おふたりのお話は多岐にわたり、その知識の豊富さに驚かされました。解説になるようなお話もたくさんしていただき、より映画に描かれたものを理解する助けになる素晴らしいトークでした。
写真集「岡本太郎の沖縄」の表紙のおばあさんの写真は、どんな顔なのかと葛山監督はご親族の方に尋ねられたそうです。親族の方の答えは、「太郎を受け容れた顔」でした。さまざまな民族学者が彼女の写真を撮りましたが、厳しい表情のものばかりだそうです。太郎と沖縄は、確かに溶け合っていたと感じられるエピソードでした。
(mirai)
■□■市民社会フォーラム第106回映画鑑賞会■□■
『岡本太郎の沖縄』
日 時 1/27(日) 15:00の回上映終了後
会 場 元町映画館2Fロビー
登壇者 葛山喜久監督、坪谷令子さん(画家)
※当日映画を観られた方対象、参加無料
映画館で公開される映画の鑑賞会。今回は『岡本太郎の沖縄』です。
『岡本太郎の沖縄』葛山喜久監督トーク開催決定!聞き手は坪谷令子さん
1959年と1966年に沖縄へ旅をした芸術家・岡本太郎。日本人とはなにか?自分自身とは何か?
その答えを求める旅の最後にたどり着いたのが沖縄でした。
「沖縄とは、私にとって一つの恋のようなものだった」と語った岡本太郎の沖縄は、今の私たちに何を投げかけ、どう繋がるのか。
それを確かめに行くドキュメンタリー映画『岡本太郎の沖縄』公開を記念して、葛山喜久監督のトークを開催します。
聞き手には、何度も沖縄を訪れられている画家の坪谷令子さんをお迎えします。
『岡本太郎の沖縄』公式サイト http://okamoto-taro.okinawa/
元町映画館 https://www.motoei.com/