【終了】『息衝く』&木村文洋監督トーク(2018/7/14土@元町映画館)

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元町映画館のイベントレポートから転載します。

2018.07.17     7/14(土)『息衝く』舞台挨拶開催!

映画『息衝く』公開初日に監督の木村文洋さんと主演の柳沢茂樹さんをお迎えしました。
上映後に木村さんと柳沢さんにお客様の前でお話を伺いました。

青森出身の木村監督が子供の時に青森県六ケ所村の核燃料再処理工場を訪れたことが全ての始まりでした。
産業が根付かない所に後々の世代までずっと存在し続ける厄介なものを目の当たりに見た失望感。
それがきっかけとなり最初の映画『へばの』を撮り、それでも表現し足りないところ、現地ではなく都市部でもそれに抵抗する人々を描く本作に繋がりました。

主演のノリオ役に柳沢さんを選んだのは舞台を中心に活躍されている彼を見て、外側にはなかなか出てこない孤独と狂気を内に秘めて奥行きを感じさせる役者さんだったからです。

ノリオを演じた柳沢さんは役を頂いた時はとてもやりがいのあるものだったそうです。
しかし製作期間が10年と長かったので、初めはバケツ一杯の大きな思いがどんどんどんどん時が経ってコップ一杯くらのものになっていったイメージ。
だけど、だから濃いものは残っています。
削ぎ落とされ良くなったと言えないこともないですが、多くのものを撮り落としたと思います、でもそれが木村君らしさでもある。
全身全霊であるものを放り投げた感じです。

木村監督が10年かかった理由について話されました。
日蓮系の新興宗教2つに入った時の体験を映画にして表現することは、政治に対して影響力を持っている団体なのでなかなか支援をしてもらうのが難しかった。
そして原発の話を2008年くらいからやっていて2011年東日本大地震があった。
脚本家チームが書いても書いても現実の方に先を越されてしまう。
脚本ができるまで半年待ってくれとかいうことが続き、柳沢さんには脚本できるまで電話してくるなと言われました。
撮影期間は3年だったのですが。

最後にこの映画のパンフレットについて。
とても力が入った渾身の出来となっています。
途中まで脚本に参加した批評家の杉田俊介さんは切ったら血が出るような文章(木村監督)を寄稿されています。
その他、批評家の鎌田哲也さん、「光の輪」宗形真紀子が書かれています。

映画『息衝く』は7/20(金)まで連日20:10から、この出色のパンフレットは上映期間中のみの販売です。

皆様のご来場をお待ちしております!

(高橋)

■□■市民社会フォーラム第96回映画鑑賞会のご案内■□■
      『息衝く』&木村文洋監督トーク

日 時 7/14(土) 20:10の回上映終了後 
登壇者 木村文洋監督
※当日映画を観られた方対象、参加無料

今回は元町映画館で公開される『息衝く』です。

〈社会〉と〈個〉の関わりを問い続ける木村文洋監督、最新作『息衝く』初日舞台挨拶開催決定!
ある政権与党の政治団体でもあり、大新興宗教団体でもある〈種子の会〉で育った2人の男と1人の女を巡る、3.11以後の理想なき社会で各個人がいかに希望を持ち生きていくかを鋭い視点で描いた『息衝く』。
公開を記念して、初日上映後に木村文洋監督の舞台挨拶が決定しました!

元町映画館公式サイト http://www.motoei.com/
『息衝く』公式サイト http://www.ikiduku.com/