【終了】パブロ・ソロン/マリー・ルー講演会「水への権利」、「マザーアースの権利」(国連決議)ボリビアから世界へ(2017/10/31水@大阪)

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■□■市民社会フォーラム協賛企画のご案内■□■
    パブロ・ソロン/マリー・ルー講演会
「水への権利」、「マザーアースの権利」(国連決議)
        ボリビアから世界へ

日 時 10月31日(火)午後6時半

会 場 エルおおさか5階研修室2(京阪/地下鉄谷町線・天満橋下車徒歩5-7分)
カンパ 1000円
主催:10・31パブロ・ソロン/マリー・ルー講演会実行委員会

 ☆呼びかけ:AMネット/ATTAC関西グループ

 ☆連絡先:AMネットamnetosaka@yahoo.co.jp

☆(南米・アマゾン)ボリビアは先住民族出身の大統領の下で「ビビール・ビエン(良く生きる)」、「マザーアースの権利」の考え方を国際社会に提起してきました。

☆政府が開発主義に舵を切ってしまった今も、地域では住民・先住民たちは自分たちの森と水と共同体を守りつづけています。

☆小国ながら全世界の未来に関わるメッセージを発し続けているボリビアの経験に学び、日本の今を考えるヒントにするため企画しました。

パブロ・ソロン、マリー・ルー講演ツアー OCT2017

 10月27日(金)東京 午後6時半連合会館

 10月30日(月)京都 午後6時半同志社大学

 10月31日(火)大阪 午後6時半エルおおさか

【パブロ・ソロンさん】
元ボリビア多民族国・国連大使(09年1月~11年6月)
「水に関わる人権」、「国際マザーアースデー」、「自然との調和」などの決議の採択に尽力。
世界社会フォーラムなどでクライメート・ジャスティス(公正な気候変動対策を)の運動を呼びかけ。

現在、ソロン財団代表。

【マリー・ルーさん】

グローバル森林連合

フォーカス・オン・ザ・グローバルサウス(新自由主義に反対する研究・運動団体)、ビア・カンペシナ(国際的な農民団体)などのNGOでWTO反対、食料主権の運動のコーディネーターとして活躍。

現在はボリビア在住。

【グローバル森林連合】

グローバル森林連合は、森の生態系と伝統的知識の保護と回復を目的に2000年に設立され、58カ国、86のNGOや先住民族団体が参加している。
森を守ってきた先住民族、地域のコミュニティー、女性の権利に重点を置いて調査、教育、キャンペーンなどを展開している。

「森林伐採と森林劣化の問題は、その本当の原因に対処することによって解決できる。
それには木材や土地への需要を減らし、文化的価値、先住民の居住地、コミュニティーの保護区域を尊重することが含まれる」(同連合のウェブより)

 

水はみんなのもの!   民営化をはね返したコチャバンバ市民(1999年10月~2000年4月)

ボリビア中央部・コチャバンバ市(当時、人口52万人)の市民たちは水道公社の民営化(米・英の多国籍企業の合弁企業の子会社に事業権を売却)に反対し、「水はみんなのもの!」の

合言葉で99年10月に「水と生命を守る連合」を結成。

ゼネスト、広場占拠、自主的住民投票、戒厳令や軍による弾圧(17歳の青年が射殺された)への抗議の高まりの中で政府は民営化を撤回、戒厳令を解除、国民に謝罪した。

この闘いはボリビアだけでなく、世界的な民営化反対の闘いのシンボルとなり、左派政権の誕生(06年)のきっかけとなった。

「良く生きる」- 画期的な憲法(09年制定)

アンデスの先住民族の宇宙観を表す「良く生きる」。
経済成長第一ではなく、自然との調和こそが大事という考え方が憲法にも書き込まれました。

<ボリビア憲法より>

「植民地国家、共和国、そして新自由主義国家を過去のものとして、私たちは多民族共同体の権利に基づく社会的統一国家を共に建設するという歴史的な挑戦に取り組むものである。」(前文)

「植民地期以前からの先住民族の存在と、先祖伝来のテリトリーの支配に基づき、国家の統一性の枠内において、自決権を保障」(第二条)

「国家は多元的社会における倫理-モラルの原則として次の原則を取りあげ、促進する。怠けず、嘘をつかず、泥棒をしない、良く生きる、調和的な生活」(第八条)

「軍隊及び軍役を保持し(第二四三、二四九条)、また自衛のための武力行使を留保しつつ、平和国家であることを宣言。また外国軍の基地も認めない。」(第十条)

「国家の経済的主権を脅かすような私的な富の集積を認めない。(第三一二条)

[水は生活のための基本的権利であり、国家は生活のための利用を保障する](第三七三、三七四条)



水への権利を国連総会で決議

国連総会決議:「飲み水と衛生へのアクセスは人権」第108回総会、2010年7月28日に採択

(提案国を代表して)

パブロ・ソロン・ボリビア国連大使の発言(抜粋):

「毎年350万人が、水系感染症で亡くなっています。
…飲料水へのアクセスが出来ないため死亡する子どもたちの数は、エイズ、マラリア、併合天然痘で死亡する数を超えています。
…女性たちは家庭で使用するためにまる1日かけて水を収集し、それを家に運ぶのに2億時間以上費やしています。」

決議の要旨「国家および国際機関が、すべての人に安全で、清浄で、簡単に手に入る、十分な水と衛生設備を提供するための努力を強化するために、特に発展途上国に対して資金、能力、技術移転を提供することを求める」。

賛成122カ国(「南」の諸国の大部分のほか、フランス、ドイツ、ベルギー等)、反対なし、棄権41カ国(米国、日本など)

開発主義への抵抗続く– ボリビアの今
エルバラとエルチェペテの水力発電プロジェクト

アマゾン地域で計画中のエルバラおよびエルチェペテの巨大水力発電プロジェクト。
建設された場合、首都ラ・パスの5倍の面積の地域を水没させ、5000人以上の先住民族を居住地から退去させ、10万ヘクタール以上の森林を伐採する。
イタリア企業が受注、電力はブラジルに輸出される(政府は一方で、国内向け電力については原子力発電を検討している)。

TIPNIS横断道路建設

「先住民地域ならびにイシボロ・セクレ国立公園」(TIPNIS)地域を横断する道路建設は環境や住民の生活に甚大な影響を及ぼすことから、2011年に反対運動により中止に追い込まれた。

しかし今年8月13日、大統領は工事凍結をやめる(工事再開を許可する)法律を公布した。

反対運動のリーダーは、「与党が目指しているのは、この地域の自然資源の大規模な採掘であり、大きな地域でコカ栽培を容易にするために道を開くことだ」と指摘している。