沿革


市民社会フォーラムが目指すもの

 市民社会フォーラムは、社会人から学生、研究者、NPO・運動団体関係者など多種多様な個人のネットワークです。様々な社会問題をめぐる学習や各分野での経験交流、情報の交換を目的に、思想的・政治的立場の多様性を前提にして、より多くの、とりわけ若い世代の人たちとのネットワークづくりを目指しています。学問と運動ならびに市民との接点を提供する触媒的役割を担う、「社会学習ネットワーク」といえるでしょう。
   例会は特定の人の閉鎖的つどいにはなりません。多様な個人による超組織・分野的なネットワークをつくっていきます。あるテーマに特化しないフォーラムが「触媒的機能を目的とした社会学習運動」という理由がここにあります。「組織」というよりも、つながりの輪を増やしていくことを目指す「媒体」といえるのではないでしょうか。
メーリングリストでは社会問題についての双方向的に活発な発信・意見交換が交わされています。
 HPでは、各分野に携わる方々からの論文や評論、書評などを掲載しています。
 当初は数名の集まりに過ぎなかったフォーラムも、インターネットやメールといったIT媒体を活用することで、より多くの方々に「つながりの場」として利用していただいています。表面的な匿名のつながりではなく、社会問題を浮き彫りにした学習会などで、出会った参加者らの顔を合わせた真面目で楽しい中身の濃い意見交換が実現しています。そこに、わたしたちはフォーラムの独自性と存在意義を見出しています。
かつて日本政治思想家の丸山真男が日本を評して「タコツボ社会」と表現したことがありましたが、現在は変わりつつあるのではないでしょうか。日本の市民社会では今、接触し刺激し合いながら、多様でありながら大きな運動へと進む可能性があります。格差と疎外を生み出す現代社会のなか、市民社会フォーラムは潜在化しているものを顕在化させ、「もうひとつの豊かなネットワーク」をつくり出す場を提供し続けることができると思います。